近代の外地詠 2

石原は自然科学を、原は医学を学ぶための留学でした。


植松は勤務先の会社をやめて次の職につくまでの間の旅であり、九条も茅野も夫君の外遊にしたがったのです。


苦力はクーリー、中国の下層労働者をいいます。


「とはまく」は問おうとして。


その他語意に分りにくいところはありません。


いずれも近代短歌がはじめて外国の旅を歌った先駆的作品で、目新しい風物に素直なおどろきの眼を向け、素直な言葉によって表現しています。


ただ現在の目からすれば、発想も、素材の切りとりかたも、表現技法も、当時の短歌の世界から一歩も踏み出していないことが物足りないですね。


いわば作者は、それまでに自分が身につけた短歌の波長にひっかかる部分だけで歌っていました。


短歌の世界は空間的にはひろがりましたが、内的世界を深化したとまではいっていません。


近代の外地詠

明治になって、鎖国が解かれたとはいえ、自由に海外の旅ができるのは、限られた人々だけでした。


近代短歌史上に、そうした旅の作品が現われるのは、明治末期からでしょう。


日露戦争に従軍した森鵬外や、新聞記者正岡子規も作品を残していますが、ここでは、戦争関係の外地詠は省略します(もっとも鴎外にしても子規にしても、いわゆる戦争詠とは言えない内容のものが多いのですが)。


以下、実例について見ていきましょう。


「囚人のさびしく住めば この闊きシベリアの野に街もあらずけり」


「停車場のひそまれるまへに、女ひとり黒き頭巾を被りて立てり 聞き古りし旅順の港いま見るは鈍くただ光る黒干潟のみ」


「息づまる土のほてりに眼を据ゑて一輪車押し苦力きたれり」


「敗戦の苦しみなどは一言も言はぬババリアのこの娘たち」


「ミシガン湖わが眼のあたりありながら霧深くして遠は見分かず」


「若葉の香水をわたりく楊柳はあるかなきかに風にゆらげり」


「明の代のむかしとはまくたたずめど石人石馬もだしてありけり」


「春の日の異国の島の石ただみふみて今朝きく郭公のこゑ」


「ものふりしニュルンベルグの街角の壁にひかれる聖マリアの像」


引用は『全歌集』、『現代短歌全集』にしたがったものです。

外地詠の沈黙の時代

遣唐使は、最後に大使を命ぜられた菅原道真の進言によって廃止されました。


唐は間もなく滅亡し、五代、宋、明の時代を通じて、中国との交流は、交易を通ずるほか、仏法をおさめる僧たちによって僅かながら保たれていきます。


しかし和歌史上には、外国での作品は絶無といっていいでしょう。


殊に江戸時代は徳川幕府の鎖国政策によって、海外渡航は禁じられていましたから、難船によって漂着した者以外、日本人の海外経験はゼロにひとしかったのです。


・・・例外的に、当時の海外の旅の実況を物語る資料として、伊勢の国の百姓光太夫の漂流体験を、幕府の聖者医学者である桂川甫周が筆録した『北磋聞略』があります。


(その他、数種漂流譚がありますが、内容ははるかに劣るといいます)


ただ、彼の観察の鋭さと把握の正確さは、有名な円仁のそれにもおとらないようです。


いずれにせよ約1000年の間、日本の海外旅行詠は沈黙をつづけました。

オフィスの統合化と分散化 2

日本でも最近になって、いままでの結果として分散してしまった快ワイキューブ事務所が経営運営上に与える問題が大きくなりだしました。


そのため、その再統合を検討したり、実際に実行する企業が増えてきていますが、米国企業の多くも同様の問題を抱えているところが多いですね。


しかし、これはなにもニューヨークといった大都会での話ばかりではないのです。


ウィスコンシン州マディソンに本社機能を置くアメリカン・ファミリー保険会社では、成長と変化のなかで88年ごろ屈曲点を迎えました。


50年代以来約2000人の本社スタッフのいわば家でもあった本社快ワイキューブ事務所も気がついてみたら、半径6マイル以内に8か所の賃貸快ワイキューブ事務所に分散してしまっていたのです。


そこで同社ではスタッフ機能の1か所への統合を試みました。


93年4月ごろには移転が終了しましたが、同社が行った統合化は単なる寄せ集めではなく、トータル・クオリティ・マネジメント"運動"のもとで、よりよいCS(顧客満足)を獲得するための顧客情報処理時間の短縮といったことをターゲットにしたものです。


業務のあり方も革新し、同時に従業員の環境改善によるモラルの向上も狙いにしたところに、その統合化プロジェクトの特色がありました。


日本でいえば首都圏における幕張新都心の郊外型統合化快ワイキューブ事務所への移転や、逆に最近の都内での空き快ワイキューブ事務所スペースを利用しての都内、都心への集中化があります。


前者には音響部門の大半を移設したソニー、ソフト開発、営業支援部門の2300名を移した日本IBM、本社機構を全面的に移転させたBMWジャパンなどがその例でしょう。


後者としては国際保険機構として有名なAIG(アメリカン・インターナショナル・グループ)、岡村製作所の事例などがあります。


こうしたプロジェクトは、FMのなかでも戦略的FM課題として日米ともに重要なテーマであり、その計画の早期立案やその遂行にはそれなりの専門的経験や、テクニックが必要とされます。


米国では以前より、こうした戦略的FMを支援するコンサルタントが活躍しています。


バブル崩壊による快ワイキューブ事務所異変は、一般企業に快ワイキューブ事務所スペース計画を再検討させるチャンスを与えています。


賃貸ビル経営のコンサルタント会社である生駒データサービスの91年9月~92年8月までの全国快ワイキューブ事務所市場調査によると、東京は入居率が96・8%と2年連続して下落しているといいますが、92年12月の調査では94・1%とさらに減少しています。


この需給緩和状況は全国的に広がっており、かつ実質賃料も下がっているといいます。


こうした都心での快ワイキューブ事務所ビルの空室も目だつなかで、分散快ワイキューブ事務所の統合化でメリットを狙う企業は今後増えていくことと思われます。

オフィスの統合化と分散化

不動産好況期は長くは続かず、一部地区では85年ごろより陰りが出始め、ビル空室率は日本では信じられない20%を超すところも出るようになりました。


マンハッタンのど真ん中でもオフィスビルの空室が目だち、なかにはシースルービルと呼ばれているものもあるほどです。


これはテナントなしのビルのため、ビルの向こう側のビルがよく見えることからいわれている言葉ですが、いま空室率が16%にも達しているといわれるニューヨークでは、あながち誇張した話でもないのです。


米国企業でも借り手市場のため、コスト削減や快ワイキューブ事務所の再統合を図っている企業も出ていますが、日本においてもこうした環境下でコスト削減のための快ワイキューブ事務所移転や競争力強化のための快ワイキューブ事務所再配置が大きな課題になってきています。


そのなかでコスト意識の高い外資系企業の間では、いま賃借料節約のための快ワイキューブ事務所移転の動きが急です。

ベトナム経済ルポ「ジャスト・イン・タイム」

インテルはほかの半導体メーカーと同様、ジャスト・イン・タイム方式を採用しています。

これは、顧客企業が半導体を必要とする時に出荷するためです。

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ホーチミン市は通りを走るスクーターを減らし、交通渋滞を緩和させるために、モノレールと地下鉄を建設する計画を立てています。

しかし、計画されている交通システムにはとてもたくさんのお金がかかります。
それを実現するためには多額の外国からの投資が必要となります。

たとえ投資を得られたとしても、モノレールは2009年、地下鉄は2013年まで完成しない、と言われています。

これらのプロジェクトが実行されれば、住民の40%が公共輸送網を利用するとリーク氏は予想しています。

リーク氏は、「我々はインフラの改善を考えずに、今の成長ペースを維持することはできない。」と語っています。


ベトナム経済ルポ「エンジニア」

インテルが投資を決めるまで、ベトナム政府と減税措置などについて数年間交渉した末、インテルは2005年にホーチミン市にエンジニアのチームを派遣しました。

そして、同市が従業員4000人規模の工場を支えられるかどうか検証させました。

「電力供給の質や水質、空港の処理能力などをじっくり検討した」とフック氏は新聞に語っています。

もう1つ、重要な要素となったのは、ホーチミン市に大勢の大学生がいること。

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同社が現地でスキルを持った人材を確保するためには、大学生の存在が欠かせません。

インテルは結局、市の中心部から40分ほど離れた工業団地に工場を新設することを決めました。

空港までクルマで40分の距離で、新たな高速道路建設計画のおかげで、その時間は今後短縮される見通しだそうです。

これはインテルにとって、とても重要なことです。

ベトナム経済ルポ「半導体投資」

ベトナムにおける半導体大手インテルの投資は、さらに多くの投資を呼び込む分岐点となるかもしれません。

同社の投資計画発表を受け、年初から75%上昇し、アジアで最も高いパフォーマンスを示しているホーチミン証券取引所は急騰しました。

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先に開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)では、米企業は20億ドル近い投資計画に調印。

この中には、ホーチミン市に電力を供給する発電施設の建設も含まれています。

インテルは2002年以来、ここに半導体組み立て工場を建設することを検討してきました。

同社ベトナム代表で米国市民のフック氏は、2000年からホーチミン市に駐在しています。

彼が言うのは、当時、会社の電話代は月間4万ドルにも上ったそうです。

それが今は技術革新のおかげで、ハノイ市とホーチミン市のオフィス合計で月間1000ドル程度まで低下したと言います。

ベトナム経済ルポ「電力」

電力供給システムには過大な負担がかかります。

そして空気汚染は都市部の頭痛のタネです。

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実際多くのエコノミストは、ベトナムのインフラ不足を持続的な経済成長にブレーキをかけかねない最
大の要因として挙げています。

実際インフラ問題は、国が経済を民間に開放した後の90年代の最初の急成長を阻害する要因となりました。

それでも、一部の大手企業はホーチミン市はベトナム景気にあやかるうえで最高の場所だと考えています。

韓国のサムスン電子や日本のキャノンなどの電機メーカーは、既にここで躍進しています。

HSBCホールディングスやスタンダード・チャータード銀行などの世界的な銀行も、ベトナムの銀行に資本参加しています。

ベトナム経済ルポ「成長率」

ベトナム経済は昨年、8.4%の成長を遂げました。

アジア開発銀行は今年、7.8%の経済成長を予測しています。

その成長過程でベトナムは、米国製品にとって世界一の急成長市場となりました。

しかし、その急成長のツケは明白です。

ベトナムの道路網はまだまだ不十分。

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国を縦断する1025マイルの高速道路は1つしかありません。

その上、大半が2車線しかないんです。

水供給も不安定で、これは首都ハノイで大きな問題となりつつあります。

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